HARPIAは拡張型分光システムで、基本のHARPIA-TAに HARPIA-TF, HARPIA-TBを追加して拡張することが可能。HARPIAは高平均出力フェムト秒レーザPHAROS(>20W)を励起光源として、PC 制御可変OPA:ORPHEUS(>1MHz)をプローブ光として組合せ可能な小型ポンププローブシステムの過渡吸収分光システム。フェムト秒レーザ過渡吸収分光や多様な時間分解分光、更に蛍光分光や時間分解誘導ラマン散乱、フラッシュフォトリシス等の計測もすることができる。
驚異的に小さな設置スペースに組合わせて使用でき、スモールサイズにもかかわらず、ユーザーの計測ニーズや新たな応用に合わせてカスタムな組合わせで対応可能。
HARPIA-TAは、ウルトラファースト過渡吸収分光器で、PHAROSやCARBIDEと一緒に使用することにより、1MHzまでの高繰返し・広帯域波長可変レーザシステムになる。また特別の光学系、ソフトウェア、データ解析ソフトを構築しており、最大24μm まで波長可変でき分光分析等に最適。以前に比べて極端にコンパクトになってリニューアルし、時代のニーズに合うように再構築されており、最小限の光学パスでビームが届き、光学安定性が増加。
特長
●高繰返しにてエクセレントなパフォーマンス
●紫外UV~中赤外MIR域まで計測:350nm~13000nm
●市場をリードする分解能:フラッシュフォトリシス( ディレイ分解能:100ps, 時間分解能: 2ns, SNR: 40:1)
●時間分解分光やマルチパルス実験用のモジュール有り
●コンパクトなフットプリント上で高レベルの自動操作
HARPIA / HARPIA-TA |
UV-VIS |
VIS |
VIS-NIR |
UV-VIS-NIR |
MIR |
計測波長レンジ |
350-1100nm |
460-1100nm |
460-1600nm |
350-1600nm |
2000-13000nm |
励起スペクトルレンジ |
240-1100nm |
240-700nm |
ディレイ レンジ(分解能) |
8ns (8.3fs) |
4ns (4.2fs) |
時間分解能 |
レーザパルス幅と同じまたはより良い値 |
レーザ繰り返し周波数 |
1-200kHz |
最大データ取得レート |
4000スペクトル/秒 繰返し周波数と同じ |
応用
■光化学 ■光生物学 ■光物理学 ■材料科学 ■半導体物理学 ■時間分解分光
HARPIA-TFは、フェムト秒蛍光分光アップコンバージョンシステム (FU) と TCSPC(数百ピコ秒~マイクロ秒での時間相関単一光子計数法)技術を組み合わせた時間分解蛍光分光計測モード。そこに最新カーゲート(Kerr gate)モードが加わり簡単に蛍光計測ができる。アライメント調整やメンテナンスが簡単でスペクトルの拡張が瞬時に計測可能。
特長
●波長スペクトルスキャニングが自動で、結晶・プリズム等アップコンバージョンの較正も自動
●ピコ秒からマイクロ秒間に於ける蛍光ダイナミクス計測(TCSPC)
●アップコンバージョン蛍光計測モードとTCSPCモードの自動スイッチ切替
●分極化・強度分布・ディレイ・波長など自動計測・制御
モード |
カーゲート(Kerr gate) |
蛍光分光アップコンバージョンシステム (FU) |
TCSPC |
波長レンジ |
250-1100nm |
330-820nm |
220-820nm |
励起レンジ |
240-1100nm |
時間分解能 |
400-500fs |
レーザパルス幅と同じまたはより良い値 |
<180ps |
最大計測レンジ |
8ns |
∞ |
ディレイ分解能 |
8.3fs |
n/a |
カーゲートビーム値 |
20-25μJ |
n/a |
カーゲート(Kerr gate)分光 |
時間相関単一光子計数(TCSPCモード) |
時間分解蛍光アップコンバージョン |
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HARPIA-TBは、HARPIA-TAに追加して「フェムト秒マルチパルス過渡吸収分光システム」を構築可能な第3のモジュール。
特長
●マルチパルス実験のHARPIA 光学配置: 240-700nm/450-1100nm, ディレイ分解能4ns
●NIRプローブ:1600-2600nm, ディレイ分解能4ns
●偏向・強度・ディレイ等をコントロール
●フェムト秒励起ラマン散乱(FSRS)、マルチパルス過渡吸収分光をサポート
マルチパルス実験のHARPIA 光学配置 マルチパルス過渡吸収分光
HARPIA-MMは、HARPIA用の顕微鏡モジュールで、特にポンププローブ時間分解分光に使用すると、特別にサブ5μmの分解能を得ることができる。
仕様
●分解能: <2μm, <10μm
●作業距離: 13 mm
●波長レンジ:460~900nm
●時間分解能: 500 fs
●サンプル移動範囲: 13x13x13mm
HARPIA-TGは、キャリア拡散係数や寿命を計測するためのグレーティング方式の過渡吸収分光器
この分光器は2022年度のLaser Focus World の Industrial Gold Awardsを受賞
特長
●非侵襲的測定技術・非破壊的なポンププローブ過渡格子分光器
●レーザの干渉とサンプルの状態を計測し、グレーティングの空間的屈折率変調度を記録
●ほんの数分でキャリア拡散係数を測定
●完全自動化およびコンピュータ制御
●グレーティング間隔を連続自動設定
●μJ/cm²励起レベルまでの感度で計測
●高度な測定および分析ソフトウェア
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HARPIA-TG |
グレーティング記録波長 |
340 – 560nm |
グレーティング間隔 |
1.15 – 15μm |
プローブ波長 |
1030 nm (SH515nm可能) |
温度精度 |
< 290 fs |
ディレイレンジ |
Up to 8 ns |
HARPIAを使用した分光計測例
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