APE社製のpicoEmerald はパルス幅2psの超短ピコ秒パルスを生成し、全自動で700~990nm(signal), 1080~1950nm (Idler)で波長可変でき、基本波1032nmもチューニングできる3色光源なので、量子ドット単一光子生成などに有効なピコ秒波長可変OPOです。
ピコ秒パルス光源は狭帯域で量子ドットエミッターの共振励起を非常に高効率で行う事ができるので、量子ドットのパルス励起に有効で、しかもpicoEmeraldは帯域を調整することが可能なので最適な光源と言えます。
今年10回目を迎えたEQEP: International Workshop on Engineering of Quantum Emitter Properties (量子エミッタ特性工学)に出展したAPE社は、会場にて量子ドット単一光子生成のショウケース(デモ)を提供しました。EQEPは半導体量子ドット、有機分子、欠陥中心、二次元材料など、固体量子エミッターや量子システム研究のために創られたユニークなワークショップで、光-物質相互作用とナノ分光法 や固体物質からの量子光生成などから量子コンピュータや量子顕微鏡などの量子研究の次世代を拓く貴重な場となっているようです。
APE社では、picoEmerald とpulseSlicer (スペクトルをカットしてパルスレーザのスペクトル幅を狭帯域にすることが可能)を組み合わせることで、量子ドット単一光子生成・もつれ光子生成用励起光源としてより良いシステムを提供しています。
この組み合わせにより、ピコ秒スペクトルの帯域幅の変更を自動で行う事が出来るので、量子研究・量子顕微鏡、ゴーストイメージング等の分野にも対応出来る可能性が拡がります。
特長
●単一光子サンプルの共鳴が互いに近い為、帯域幅が狭い(選択性)
●異なる共振に応答するピコ秒レーザの波長チューニング特性
●分光に適する波長チューニング特性
●空間と時間をオーバーラッピング出来る2色光源が利用できる
- ●異なる幅の共振に最適に対応する可変帯域幅(pulseSlicerによる)
- ●比較的弱い単一光子信号を多数の測定にわたって蓄積する必要が有る為、高い繰返しが必要
- ●ピコ秒レーザ励起による高いスペクトルパワー密度(小帯域幅)
- ●中赤外域への拡張はDFG(高調波)ユニットを組合わせる事が出来る
- ●1500nmに対応出来ないチタンサファイアレーザと比較して、picoEmeraldはより広いチューニング範囲に対応できる
- (チタンサファイアレーザとOPOを組み合わせると、波長は対応出来るがパワー密度が低い)
- ●picoEmeraldに pulseSlicer を組み合わせると自動で帯域幅の変更が可能
picoEmerald pulseSlicer
picoEmerald + pulseSlicer