マイクロキャビティ(微小共振器)研究の進化 (with HARPIA) (Light Conversion 社製)
- カナダモントリオール大学教授であり、先進的材料の超高速非線形分光分野のエキスパートである Carlos Silva Acuña 氏はカナダ・米国の化学学会や物理学会に周知されている研究者ですが、永年LC社製ウルトラファーストレーザ:PHAROSやそれと組合わせるOPA:ORPHEUS シリーズを愛用してきた重要顧客です。
- 彼はCanada Excellence Research Chair (CERC) において、強力な光-物質結合領域の半導体微小共振器および強く相関する量子材料に焦点を当てて研究を進めていますが、コヒーレント分光法とインコヒーレント分光法の両方を駆使して光誘起粒子の相互作用からなる微視的システムの性質を明らかにすることを目指しています。彼らはLC社のHARPIA 分光システムを利用して光と物質の相互作用の理解を進め、フォトニクスや量子技術のための新材料の開発に貢献しています。100台目のHARPIAの記念すべきマイルストーンは彼の研究の礎になっています。
- HARPIAシステム(PHAROS + ORPHEUS-N 又はPHAROS + ORPHRUS -F, HARPIA-TG )等により、フーリエ顕微鏡の構成内でポンププローブ実験を行う事により研究が進化し、「高分解能共鳴インパルス刺激ラマン分光」や「共役ポリマーに関する一連の重要な過渡吸収について」等の研究成果を発表しています。そして今後彼らが目指すのは Coherent Terahertz Spectroscopy とのことです。
- Prof. Carlos Silva Acuña Marks a Milestone with HARPIA
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Light Conversion社はフェムト秒 OPA (Optical Parametric Amplifier)とYbべ-スのフェムト秒レーザ光源のパイオニアであり、数千台以上を出荷した実績を持つ連続波長可変ウルトラファーストレーザのリーディングカンパニーです。
- 超高速分光システムHARPIAは、Ybフェムト秒レーザPHAROSとPHAROS用のOPAとして開発されたORPHEUSを基本として構築された分光システムで、各種の時間分解分光計測やフェムト秒による超高速材料加工に役立つ画期的な分光システムです。
- これは尊敬すべきLC社の理科学アドバイザー(以前CEO)でVilnis大学レーザ研究センター教授のM. Barkauskas氏達が主導で開発したもので、2006年にHARPIAの原型を構築し近代的な分光システムの基礎が完成しました。
- その後製品化され2012年に米国サンフランシスコで開催されたPhotonics Weatで HARPIA超高速分光システムとして披露されました。
- そして日本の京都大学 と ルーマニアの国立研究開発施設 という主要な顧客を得る事が出来ました。
- HARPIAエンジニアチーム HARPIAの基本を開発したLC社の理科学アドバイザー、
- Vilnis大学レーザ研究センター教授のM. Barkauskas氏
HARPIA-TG キャリア拡散係数や寿命を計測する為の
グレーティング方式の過渡吸収分光器
- 初代HARPIAの誕生から12年が経過して1/10 のフットプリントと小型化し、現在はHARPIA-TA を中心とした拡張型の分光システムとして用途に応じた構成を構築できます。2022年には最新技術のグレーティング方式過渡吸収分光器 HARPIA-TGが開発され、全自動PC制御でサンプルが非導電性または非蛍光なのかを数分で計測でき電気的に性質付けることが出来るので、材料サンプルがシリコン・ガリウムナイトライド等の様に半導体に適するかどうかを調べることも可能で、2022 Laser Focus World Innovators Awardsの金賞を受賞しています。2024年10月に100台目のHARPIAが出荷され、節目を迎えると共に今後更なる発展が期待されます。
- 分子振動・電子遷移・化学反応・エネルギー移動・蛍光分析などは全て分光法により探求・調査でき、多くのプロセス例を得る事ができるので、超高速分光システムHARPIAを使用する事により、分子や材料の動的特性を幅広い時間スケールで明らかにすることが出来、光吸収やエネルギー移動などを非常に詳細に観察することが出来ます。更に光合成の研究にも役立つことが出来れば、人工光合成などの新技術の開発を促し、持続可能なエネルギーソリューションへの道を拓く可能性が有ります。